階段を下りると膝が痛い・腫れる|原因と負担の減らし方、受診目安|玉名市の整形外科|平山整形外科医院

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階段を下りると膝が痛い・腫れる|原因と負担の減らし方、受診目安

階段を下りると膝が痛い・腫れる|原因と負担の減らし方、受診目安

「上りは平気なのに、下りだけつらい」と感じたら


「上りは何ともないのに、下りになると膝の前がつらい」。外来では、こうした声をよく伺います。夕方に膝がふくらんだように感じると、仕事や家族の手伝いを続けてよいのか迷う方も多いでしょう。


この記事では、考えられる原因と、階段や荷物運びの負担の減らし方、受診の目安をまとめました。痛む場所は手がかりの一つで、原因の決め手ではありません。


この記事の要点まとめ


  • 階段を下りる動作では膝の前側に負担がかかりやすく、痛む場所だけでは原因を判断できません。
  • 手すりを使って一段ずつ下り、荷物を小分けにするなど、痛みや腫れに応じて作業量を調整します。
  • 腫れを繰り返す、痛みが続く場合は整形外科へ相談し、赤みや熱感、発熱、歩行困難があれば早めに受診します。

階段を下りると膝の前側が痛いのはなぜ?

階段を下りると膝の前側が痛いのはなぜ?

下りでは体重を受け止めながら膝を曲げていくため、お皿(膝蓋骨)の周りに負担が集まりやすくなります。ただし「下りのほうが痛い」という違いだけでは、原因を一つに絞れません。


上りより下りがつらいのは、膝の使い方が違うため?


使い方の違いは関係しています。上りは太ももの筋肉が縮みながら体を持ち上げる動き。下りは筋肉が伸びながらブレーキをかける動きです。


段差の衝撃を受け止めつつ膝を曲げるので、下りでは膝の前側に響きやすくなります1。とはいえ、これは手がかりの一つで、病名を示すものではありません。


膝の前側が痛む場合、どのような原因が考えられる?


代表的なのが、お皿と太ももの骨が接する部分に生じる膝蓋大腿部痛(しつがいだいたいぶつう)です。階段や坂道、しゃがむ動作、長く座ったあとの立ち上がりでの痛みには個人差があり、原因は医師が判断します。


一方で、お皿の下の腱や関節の軟骨、関節内の炎症も、前側の痛みとして感じられます。「前側だからこの病気」と結びつけず、診察で確かめていきます。


荷物を持つと痛みが増すのは何を示している?


荷物の分だけ、膝が受け止める重さが増えていると考えられます。荷物の重さ、階段を使う回数、品出しでのしゃがみ込み。こうした負担の積み重ねが症状に関わることがあります1。


どの作業のあとに痛むかをメモしておくと、診察の際にそのまま役立ちます。


ポイント

下りのつらさは膝の使い方の違いで説明できる部分がありますが、原因を確かめるには診察が必要です。


痛む場所や腫れだけで膝痛の原因はわかる?


場所や腫れは診察の大事な手がかりですが、それだけで原因は決められません。痛みが出た動作や始まった時期、歩行や立ち上がりでの変化を合わせて考えます。


右膝の外側や内側が痛む原因には何がある?


膝の外側の痛みは、太ももの外側を通る腸脛靱帯に炎症が起こる腸脛靱帯炎(ランナー膝)などが考えられます。一方、内側の痛みは「鵞足炎(がそくえん)」や半月板・軟骨の変化などさまざまな原因が考えられます。痛みの原因を正しく把握するためにも、医療機関を受診し、医師に相談しましょう。


右か左かは、原因を見分ける材料にはなりません。どちらの膝でも、痛む動作と経過を確認します。


変形性膝関節症の初めにはどんな症状が出る?


初期には立ち上がりや歩き始めに痛み、休むと痛みがとれます2。階段の上り下りが難しくなるのは中期にみられます2。


ただ、同じ症状は膝の前側の痛みや腱の炎症でも起こります。年齢だけで決めつけず、画像検査も含めて判断します。


夕方だけ腫れる場合、受診前に何を確認する?


次の点を控えておくと、診察がスムーズです。


  • 腫れに気づいた時期と、日中の作業との関係
  • 熱っぽさや赤みがあるか
  • 転んだ・ひねったなどのきっかけがあるか
  • 膝を最後まで曲げ伸ばしできるか

朝には引いていても、夕方の腫れを繰り返すなら相談の対象です。 関節の中に水がたまっていないか、エコーなどで確かめます。


階段や荷物運びで膝の負担をどう減らす?

階段や荷物運びで膝の負担をどう減らす?

痛みを強める動作を控え、手すりや荷物の小分けで一回あたりの負担を下げることから始めます。運動は、痛みや腫れが強い時期に無理に始めず、状態を見ながら考えます。


膝をいたわりながら階段を下りるには?


手すりを持ち、一段ずつ両足をそろえて下りる方法が基本です。下りでは痛むほうの足から先に下の段へ出し、痛くないほうの足で体を支えます。痛む膝で体重を受け止める場面が減らせます。


ふらつきを感じるときは、エレベーターやスロープを遠慮なく使ってください。


品出しや買い物は、どのように調整する?


重さを分け、回数と休憩で調整するのが現実的です。


  • 荷物は小分けにし、片手に偏らないよう両手で持つ
  • 階段での運搬はまとめず、合間に休憩をはさむ
  • 低い棚の作業は深くしゃがみ続けず、台や片膝立ちを使う

痛みが増える作業は、職場やご家族と分担を相談するのも一つの方法です。


膝が痛いときは、どこを鍛えればよい?


太ももの前側だけでなく、お尻や股関節の周り、体幹(お腹・背中)の筋肉をバランスよく鍛えることが大切です34。特に膝の前側の痛みがある場合は、痛みや症状について正しく理解したうえで、膝周りの筋力トレーニングを中心に、必要に応じて股関節の運動も取り入れましょう1。


腫れや強い痛みがある時期は、運動の選び方が変わります。どの運動から始めるかは、診察の際にご相談ください。


膝の痛みと腫れは、いつ整形外科に相談すればよい?


腫れが続く・繰り返す、仕事や歩行に差し支える場合は、整形外科への相談を考える時期です。強い熱感や発熱、急な強い痛み、体重をかけられない状態なら早めの受診をおすすめします。


受診を急いだほうがよい腫れや痛みは?


膝の状態受診の考え方
赤く熱を持つ、発熱がある早めに受診
けがの後に急に腫れた、歩けないほど痛い早めに受診
夕方の腫れを繰り返す、階段の痛みが続く予定を立てて受診を検討

急ぎでなくても、痛みをかばう歩き方が続くと、腰や反対側の脚に負担が移ることがあります。


整形外科では診察と検査をどの順に進める?


痛みの経過や仕事・家事での負担を伺い、腫れや膝の動き、歩き方を確認します。そのうえで必要に応じ、骨を見るX線(レントゲン)、関節の水や腱を見るエコー、軟骨や半月板を見るMRIを検討します1。


診察では、まず症状や痛みの程度、発症した時期などを確認し、必要な検査を行います。検査にはX線(レントゲン)やエコー、MRIなどがあり、症状や医師の判断に応じて適切な検査を選択します。


検査内容や診察・通院の回数は、症状や検査結果によって異なります。一人ひとりの状態に合わせて診断・治療を進めていきますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。


よくある質問


Q. 膝が痛くても、品出しの仕事は続けてよいですか?


A. 作業のあとに痛みや腫れが強まらない範囲かどうかが、一つの目安になります。夕方の腫れが目立つ日が増える、翌朝まで痛みが残るといった変化があれば、作業量を見直したうえで医師にご相談ください。


Q. サポーターや湿布で様子を見てもかまいませんか?


A. 一時的に動きやすく感じる方はいますが、痛みの原因を確かめるものではありません。腫れを繰り返す、階段の痛みがしばらく続くといった場合は、自己判断で続けず診察で状態を確認しましょう。


Q. 膝が熱っぽいときは、冷やすのと温めるのどちらがよいですか?


A. 熱っぽさや腫れがあるときは、温めると症状が強まる場合があります。一方、慢性的なこわばりでは温めると楽に感じる方もいます。判断に迷うときは、膝の状態を診察で確認してからにしましょう。


参考文献


1. Neal BS, Lack SD, Bartholomew C, et al. Best practice guide for patellofemoral pain based on synthesis of a systematic review, the patient voice and expert clinical reasoning. British Journal of Sports Medicine. 2024. PMID: 39401870 / DOI: 10.1136/bjsports-2024-108110

2. 「変形性膝関節症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる. https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html

3. Halabi MH, Alturkistani BA, Abuhadi RH, et al. The Efficacy of Hip and Knee Muscles Strengthening Versus Knee Muscle Strengthening Alone in Managing Patellofemoral Pain Syndrome: A Systematic Review and Meta-Analysis. Musculoskeletal Care. 2025. PMID: 39934098 / DOI: 10.1002/msc.70059

4. Wang Y, Li H, Zhang D, et al. Core Training for Pain Management and Functional Improvement in Patients With Patellofemoral Pain Syndrome: A Systematic Review and Meta-analysis. American Journal of Physical Medicine & Rehabilitation. 2024. PMID: 38684137 / DOI: 10.1097/PHM.0000000000002513


平山 雄大

医師


医療法人社団清明会 平山整形外科医院

院長

平山 雄大

▶ 監修者プロフィール

経歴
1997年 玉名町小学校卒業
2000年 熊本大学教育学部付属中学校卒業
2003年 熊本県立玉名高等学校卒業
2010年 福岡大学医学部医学科卒業
2010年 宮崎県立延岡病院
2011年 熊本大学医学部付属病院
2012年 熊本大学整形外科入局
2012年 熊本大学医学部付属病院整形外科
2013年 熊本市民病院整形外科
2014年 水俣市立総合医療センター整形外科
2015年 山鹿市民医療センター整形外科
2017年 公立玉名中央病院整形外科
2020年 平山整形外科医院開院
資格・所属学会
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
身体障害者福祉法第15条指定医