転倒後4日経っても股関節の痛みが引かない場合に考えられる原因|玉名市の整形外科|平山整形外科医院

トピックス TOPICS

転倒後4日経っても股関節の痛みが引かない場合に考えられる原因

転倒後4日経っても股関節の痛みが引かない場合に考えられる原因

畑での尻もちから4日、股関節の鈍い痛みが残っているとき


畑の畔で足を滑らせて尻もちをついた。湿布を貼って数日たっても、立ち上がる瞬間に脚の付け根がズキッとする——自分では判断しにくい場面です。打撲、骨挫傷、骨折ではその後の経過や必要な対応が変わります。この記事では、様子をみる目安、受診を考えたいサイン、検査の選び方を整形外科の視点からわかりやすく解説します。


この記事の要点まとめ


  • 転倒から数日経っても痛みが続く際は、打撲だけでなく骨挫傷や骨折の可能性も想定されます。
  • 歩行できる場合でも、体重をかけると付け根が痛むときは整形外科への相談が目安となります。
  • 症状の原因確認には、状態に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査が活用されます。

転倒後4日経っても痛みが引かない主な原因


打撲・打ち身は通常どのくらいで痛みが軽くなるか


「打撲」と「打ち身」は同じ状態を指す言葉で、皮下の組織や筋肉などが強い衝撃を受けて内出血を生じたものです。軽度の打撲であれば受傷後2〜3日で腫れの山を越え、1〜2週間ほどかけて動作時の痛みが和らいでいくことが多いとされていますが、経過には個人差があります。また、内出血がある場合には、皮膚の色が赤紫から青、黄色へ変化していくことも、回復の経過をみるひとつの目安になります。受傷から4日ほどたっても痛みが改善しない、あるいは強まっている場合は、単なる打撲以外の可能性も考え、医療機関の受診を検討しましょう。


レントゲンに写りにくい「骨挫傷」とはどのような状態か


骨挫傷は、骨が折れて形がずれるのではなく、内部の骨梁や骨髄が潰れるように傷んだ状態を指します。レントゲンは骨の輪郭や連続性を写す検査のため、形が保たれている骨挫傷や、ずれのない細いひびは写りにくいことがあります。「レントゲンで異常なし」と言われたのに痛みが続く背景に、こうした損傷が隠れている場合もあるわけです。


骨密度が低い方が転倒後に注意したい骨折リスク


股関節周辺の骨折は立った状態からの転倒で起こることが多く、比較的小さな外力でも起こることがあります。特に、大腿骨頸部や大腿骨の付け根に生じやすいと報告されています2。加齢に伴う骨の脆弱化も要因の一つであり、骨がもろくなっている方では、尻もちをつく程度の衝撃でも骨折することがあります2。骨折と判断された場合は、手術の有無や骨折の状態などに応じて治療方針が決定されます。その後は、状態に合わせて段階的にリハビリテーションを行うことが、一般的な治療の流れとなります1。


湿布で様子を見てよい期間と受診を検討したいサイン

湿布で様子を見てよい期間と受診を検討したいサイン

転倒直後にまず行いたい応急処置の考え方


受傷から48〜72時間は腫れと内出血が広がる時期で、この間は冷やすのが基本です。安静・冷却・圧迫・挙上(RICE)を軸に、冷却は1回15〜20分を目安として間隔をあけます。温めるのは熱感と腫れが落ち着いてから。冷感・温感の湿布はいずれも消炎鎮痛成分が主体で、差は体感が中心です。市販の鎮痛薬は胃腸や腎機能への負担があるため、他の薬を飲んでいる方は薬剤師へご相談を。痛みを抑えて動けてしまうと、損傷の程度を見誤ることもあります。


4日以上経っても引かない場合に見られやすい症状


  • 立ち上がりや寝返りの瞬間に鋭く痛む
  • 痛む側に体重をかけると脚の付け根や鼠径部に響く
  • 腫れや内出血が引かない、範囲が広がる
  • 脚の長さが違って見える、つま先が外を向く
  • 発熱、しびれ、足先の色や冷たさの変化

いずれかが当てはまる、あるいは1週間近く同じ強さの痛みが続くときは、画像での確認を検討したいところです。


「歩けるから大丈夫」という考え方に潜む誤解


骨のずれが少ない大腿骨頸部の骨折では、痛みがあっても歩けてしまう場合があります。そのため、「歩けるから骨折していない」とは限りません。骨折を疑う手がかりとしては、体重をかけたときの痛み、ある一点を押すと必ず痛む、特定の方向に動かすと痛みが再現される、といった症状があります。


痛みの原因を調べる検査方法と受診する科の選び方

痛みの原因を調べる検査方法と受診する科の選び方

レントゲンとMRI・CT検査の違いと使い分け


レントゲンは骨の形、CTは細かい骨の形状、MRIは骨髄や筋・靭帯の水分の変化をとらえます。骨挫傷やずれのない骨折はMRIで判別しやすく、体内金属などでMRIが受けられない場合には、骨髄の浮腫を評価できる撮影法のCTで大腿骨頸部の骨折が確認された報告もあります3。MRIには公的医療保険が適用される場合があり、当院では3割負担での検査料は4,500円程度です(再診料等は含まれておりません)。


股関節周辺の痛みはどの診療科に相談するか


運動器のけがは整形外科が窓口になります。ただし転倒時に頭も打っていて、頭痛や吐き気、物忘れ、いつもと違う言動があるなら、脳神経外科や救急への相談が先。腹部を強く打った、尿に血が混じるといった場合は内科や泌尿器科が関わります。


骨密度検査で分かること・今後の転倒対策


DXA法による腰椎・大腿骨の骨密度測定では、若年成人平均値(YAM値)と比べた骨の強さの目安が分かります。一度骨折を経験した方は次の骨折も生じやすいため、数値で把握しておくと、住まいの段差や畑の足元といった環境面の見直し、運動療法の組み立てとあわせて対策を考えやすくなります1。


玉名市内で精査を受ける際の判断材料


玉名市内で股関節の精査ができる整形外科を選ぶ視点


レントゲンに加えて、MRIや骨密度測定、超音波検査まで院内で完結できるかどうかは通院回数に直結します。玉名市にお住まいで農作業や家事を抱えている方にとっては、駐車場の有無や自宅からの動線も、痛みを抱えた身体では小さくない違いになります。


受診前に準備しておきたいことと予約の流れ


いつ、どこで、どのように転んだか、痛む場所を指で示せるようにしておくと診察が進みやすくなります。服用中の薬とお薬手帳も持参を。当院では、状況を伝えやすい診察の場づくりを心がけています。なお予約は受付窓口や電話では承っておらず、WEB予約またはLINEからのご予約をお願いしています。もちろん予約なしの受診も可能です。受付時間内にお越しください。


畑仕事や家事の再開はどのくらいの時期を目安にするか


再開時期は診断名と損傷の程度によって変わります。痛みが薄れたからではなく、体重をかける動作で痛みが出ないかを医師や担当セラピストと確認しながら、段階的に戻していく進め方が現実的です。「いつから何をしていいか」を決めるために受診する、と考えてみてください。


よくある質問


Q. 転倒して痛みがずっと続いていたらどうしたらいいですか?

A. 冷却と安静で様子をみる期間は、一般に受傷後数日から1週間程度が目安とされます。それを過ぎても同じ強さの痛みが残る、体重をかけられない、腫れが引かないといった場合は、整形外科で画像検査を含めた確認を受けることをおすすめします。


Q. 打撲が1ヶ月たっても痛いのはなぜですか?

A. 筋肉内の出血が硬くなって残っている、骨挫傷やずれのない骨折が隠れている、周囲の腱や靭帯を傷めている、といった要因が考えられます。1ヶ月続く痛みは単純な打撲の一般的な経過から外れているため、原因を調べる段階と考えてよいでしょう。


Q. 骨にヒビが入っているサインはありますか?

A. 押すと同じ一点が必ず痛む、体重をかけた瞬間に痛みが走る、特定の方向に動かすと痛みが再現される、といった再現性が手がかりになります。ただし自己判断で確定できるものではなく、画像検査での確認が前提になります。


Q. 転倒して1週間後には、どんな症状が出ることがありますか?

A. 内出血が広い範囲に降りてきたり、痛みが一点に絞られてきたりする変化がみられます。一方で、歩行時のふらつきや脚の付け根の痛みが強まる、腫れが再び増すといった変化は、様子をみるより相談したほうがよい流れです。


Q. 受診には予約が必要ですか?

A. 受付窓口やお電話でのご予約は承っておらず、WEB予約またはLINEからのご予約をお願いしています。予約なしでも受診いただけますが、来院順でのご案内となるため、WEB予約のほうが待ち時間を短くしやすいです。


参考文献


1. McDonough CM, Harris-Hayes M, Kristensen MT, et al. Physical Therapy Management of Older Adults With Hip Fracture. The Journal of Orthopaedic and Sports Physical Therapy. PMID: 33522384 / DOI: 10.2519/jospt.2021.0301

2. Johannesdottir F, Roberts JE, Kiel DP, et al. Hip Fractures: A Review. JAMA. PMID: 42461643 / DOI: 10.1001/jama.2026.11895

3. Rogers NB, Karam WN, Kumaravel M, et al. Dual-Energy CT to Diagnose Occult Femoral Neck Fracture in MRI-Contraindicated Patient: A Case Report. JBJS Case Connector. PMID: 34648465 / DOI: 10.2106/JBJS.CC.21.00404


平山 雄大

医師


医療法人社団清明会 平山整形外科医院

院長

平山 雄大

▶ 監修者プロフィール

経歴
1997年 玉名町小学校卒業
2000年 熊本大学教育学部付属中学校卒業
2003年 熊本県立玉名高等学校卒業
2010年 福岡大学医学部医学科卒業
2010年 宮崎県立延岡病院
2011年 熊本大学医学部付属病院
2012年 熊本大学整形外科入局
2012年 熊本大学医学部付属病院整形外科
2013年 熊本市民病院整形外科
2014年 水俣市立総合医療センター整形外科
2015年 山鹿市民医療センター整形外科
2017年 公立玉名中央病院整形外科
2020年 平山整形外科医院開院
資格・所属学会
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
身体障害者福祉法第15条指定医