膝の痛みの原因と見分け方|内側の違和感や受診の目安を医師が解説|玉名市の整形外科|平山整形外科医院

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膝の痛みの原因と見分け方|内側の違和感や受診の目安を医師が解説

膝の痛みの原因と見分け方|内側の違和感や受診の目安を医師が解説

階段や車の乗り降りで膝がズキッとしたら


荷物を抱えて階段を下りた瞬間、膝の内側に走るズキッとした痛み。湿布を貼って二週間、特に変わらない——そんな状態は決してめずらしくありません。この記事では、痛む場所ごとに考えられる原因の整理の仕方、しばらく経過をみてよい範囲、そして早めに整形外科へご相談いただきたい目安をまとめます。


この記事の要点まとめ


  • 膝の痛みは生じる部位や動作のほか、腰からの影響など多様な要因が考えられます。
  • 腫れや熱感、曲げ伸ばしの制限がある場合や痛みが続く際は受診の目安となります。
  • 整形外科では画像検査等で状態を確認し、運動療法などの保存的ケアを検討します。

痛む場所から推測する膝の痛みの主な原因と見分け方

痛む場所から推測する膝の痛みの主な原因と見分け方

膝は骨・軟骨・半月板・靭帯・腱・滑液包がぎゅっと詰まった関節です。どこが痛むのかは、原因を絞り込む手がかりのひとつになります。とはいえ部位だけで判断できるものではありません。あくまで整理の出発点としてお読みください1


内側のズキズキ感や違和感(変形性膝関節症・半月板損傷・鵞足炎)


中高年の方からのご相談で多いのが膝の内側です。日本人は膝の内側に体重が偏りやすいとされ、関節軟骨の変化に伴って痛みが出る変形性膝関節症が背景にあるケースも少なくありません。立ち上がりや歩き始めに痛み、動いているうちに和らぐ——これはよく聞かれる訴え方です。


しゃがむ、ひねるといった動作で引っかかり感や鋭い痛みが出るなら、内側半月板のトラブルが関わることもあります。膝の内側のやや下、すねの内側寄りを押して痛む場合は、縫工筋などの腱が集まる部分に炎症が起きる鵞足炎も候補に入ります。同じ「内側の痛み」でも、押して痛い位置が数センチ違うだけで想定する原因は変わってきます。


外側やお皿周辺、膝の裏側の痛み(靭帯炎・膝蓋腱炎・ベーカー嚢腫)


膝の外側がズキズキするときによく知られているのが、太ももの外側を走る腸脛靭帯が擦れて炎症を起こす腸脛靭帯炎(ランナー膝)。歩行や下り坂で痛みが強まりやすいといわれます。


お皿(膝蓋骨)の下端がジャンプや階段で痛むときは膝蓋腱炎(ジャンパー膝)。お皿の周囲全体がだるく重いときは、膝蓋大腿関節にかかる負担が関係している場合もあります。膝の裏側が張って正座やしゃがみ込みがしづらいなら、関節液が裏側の袋に溜まるベーカー嚢腫が見つかることも。左右差のある腫れやふくらはぎの張りを伴うときは、自己判断を控えてご相談ください。


動作のタイミングと腰由来の放散痛を見分ける視点


痛む場所と同じくらい参考になるのが、いつ痛むかという視点です。朝一番や座った姿勢から立つ瞬間に痛み、動くと軽くなるなら関節の変性に伴う炎症性の要素。特定の動作で毎回同じ痛みが走るなら機械的な要素が想定されます。安静にしていてもズキズキするタイプは、また別の角度からの評価が必要になります。


見落とされやすいのが、膝そのものではなく腰からの影響です。腰椎の神経が圧迫されると、太ももから膝周辺にかけて放散するしびれや鈍い痛みとして感じられることがあります。膝を押しても痛くない、腰を反らすと膝の症状が変わる、しびれを伴う。こうしたときは、膝だけを診ていても手がかりが得られにくくなります。


湿布で様子見できる状態と受診を急ぐべきサインの判断基準

湿布で様子見できる状態と受診を急ぐべきサインの判断基準

「もう少し様子をみようか」と迷っている時間が、一番つらいものです。判断の軸を決めておくと、悩む時間は短くなります。


自宅で経過観察できる範囲と「湿布を貼れば改善する」という誤解


慣れない作業や長時間の立ち仕事のあとに出た軽い痛みで、腫れもなく、翌朝には和らいでいる。この程度であれば、負担を減らしながら数日経過をみる選択もあります。冷湿布と温湿布は優劣が決まっているわけではなく、熱感があるときは冷やす、こわばりが強いときは温めるなど、感覚に合うほうを選んで差し支えありません。


ただ、湿布はあくまで痛みの感じ方を和らげる補助的な手段です。軟骨のすり減りや半月板の損傷そのものに働きかけるものではありません。 痛みが覆い隠されたまま同じ動作を続ければ、負担はかかり続けます。2週間以上貼っても変化が乏しいなら、経過観察の段階は過ぎたとお考えいただくとよいでしょう。


関節の腫れ・熱感・可動域制限など速やかな受診が必要な兆候


次のような様子があるときは、早めに整形外科へご相談ください1


  • 膝が腫れてブヨブヨする、いわゆる「水が溜まった」状態
  • 触れて熱をもっている、赤みがある、発熱を伴う
  • 膝が伸びきらない・曲がりきらない、途中で引っかかる
  • 体重をかけられない、歩行時に膝が抜けるように感じる
  • 安静にしていてもズキズキと痛み、夜間に目が覚める

関節が急に腫れて強く痛むときは、感染や結晶性の関節炎(痛風・偽痛風)、関節リウマチなどが関わることもあり、対応の方向性が変わってきます。痛みの強さだけでなく「いつもと違う変化があるか」を基準にしていただくと、判断しやすくなるはずです。


受診を先延ばしにするリスクと早期対応のメリット


痛みをかばって歩くと、体重のかけ方が左右で偏ります。その状態が続けば反対側の膝や股関節、腰にも負担が連鎖し、気になる部位が増えてしまうことも考えられます。痛みを避ける生活で膝周りの筋力が落ちれば、関節を支える力そのものが弱まっていきます。


早い段階で原因の見当がつけば、仕事や運転を続けながらできる工夫を組み立てやすくなります。受診は診断名を突きつけられる場ではなく、今の生活をどう続けるかを一緒に考える場とお考えください。


整形外科で行われる検査の流れと保存的治療の選択肢


受診の日に何をされるのか分からない——それが足を遠のかせる一因になります。おおまかな流れを知っておくだけでも、心づもりがしやすくなります。


レントゲン・超音波(エコー)・MRIによる画像検査の違い


まず問診で、いつから・どの動作で・どこが痛むのかを伺います。続いて押して痛む部位や曲げ伸ばしの範囲、膝の安定性を確認し、そのうえで画像検査を組み合わせます。


  • レントゲン:骨の形や関節の隙間の状態を確認します。立った姿勢で撮ると、体重がかかった状態での隙間が把握できます
  • 超音波(エコー):腱や滑液包の炎症、関節液の貯留を、その場で動かしながら観察できます
  • MRI:レントゲンに写らない半月板・靭帯・軟骨・骨の内部の状態を捉えます

当クリニックでは、透視機能付X線装置による撮影やエコー、MRIを用いて身体をさまざまな角度から画像化し、診断に役立てています。開放性に配慮したオープンMRIを導入しているため、閉所が苦手な方やお子さんにも受けていただきやすい環境です。


内服・注射・セラピストによる運動療法などの保存療法


膝のご相談で、いきなり手術の話になることはまれです。多くはまず保存療法から検討します1。消炎鎮痛薬の内服や外用薬、炎症が強い場合の関節内注射、関節液が多く溜まっているときの穿刺などを、状態に応じて組み合わせていきます。


並行して大切になるのがリハビリです。当院では広々としたリハビリ室と豊富な機器をそろえ、セラピストが一人ひとりの状態に合わせて関節可動域の調整や、太もも前面・お尻周りの筋力トレーニングを組み立てます。市販のサポーターやインソールについても、使いどころと留意点を含めてご説明しています。


玉名市で仕事や家事と両立しながら通院相談を行うポイント


玉名市は車移動が中心で、買い物や家族の送迎を担っている方も多い地域です。「通院のために仕事を減らす」ことが現実的でないなら、通える頻度から逆算してリハビリの内容や自宅での運動を組み立てる方法があります。


受診の際は、痛み始めた時期・強く痛む動作・楽になる姿勢・湿布や市販薬で試したことをメモしてお持ちください。限られた診察時間でも要点が伝わりやすくなります。当院は予防医学の視点を大切にし、かかりつけ医として長く関わっていきたいと考えています。


よくある質問


Q1. 膝の痛みで多い原因は何ですか?


A. 中高年の方では、加齢に伴う関節軟骨の変化を背景とした変形性膝関節症がご相談として多く挙がります。ただし年代や活動内容によって傾向は異なり、若い世代ではスポーツによる半月板・靭帯のトラブルや膝蓋腱炎が目立ちます。原因は一つとは限らず、複数の要素が重なることもあります。


Q2. 膝の痛みは自然におさまりますか?


A. 一時的な使いすぎによる痛みであれば、負担を減らすうちに落ち着いていくこともあります。一方、関節の構造的な変化が関わっている場合は、時間の経過だけで元に戻るとは限りません。2週間ほど経っても変化が乏しい、腫れや可動域の制限があるといったときは、一度状態を確認しておくことをおすすめします。


Q3. 幼児の膝が痛いときは何科を受診すればよいですか?


A. まずは整形外科へご相談ください。成長期特有の骨端の問題や、股関節の病変が膝の痛みとして現れることもあります。発熱を伴う、足をつきたがらない、腫れが強いといった場合は、早めの受診をご検討ください。


Q4. 子どもの膝の痛みはどこを見ればよいですか?


A. 痛む場所(お皿の下・お皿の周り・膝の裏)、運動後に強まるかどうか、腫れや熱感の有無、左右差、歩き方の変化を目安にしてください。成長期はスポーツ量との関係が深いため、練習内容や頻度も一緒に把握しておくと診察時の参考になります。


Q5. 整形外科とリウマチの診療は分けて考えるべきですか?


A. 膝以外の関節も腫れる、朝のこわばりが長く続くといった場合は、関節リウマチなど全身性の疾患も念頭に置いた評価が必要になります。整形外科で血液検査や画像検査を含めて確認し、必要に応じて専門的な診療につなぐ流れが一般的です。


参考文献


1. 日本医師会(医療の質・患者と医療者の情報、疾病・健康一般に関する公開情報) https://www.med.or.jp/


平山 雄大

医師


医療法人社団清明会 平山整形外科医院

院長

平山 雄大

▶ 監修者プロフィール

経歴
1997年 玉名町小学校卒業
2000年 熊本大学教育学部付属中学校卒業
2003年 熊本県立玉名高等学校卒業
2010年 福岡大学医学部医学科卒業
2010年 宮崎県立延岡病院
2011年 熊本大学医学部付属病院
2012年 熊本大学整形外科入局
2012年 熊本大学医学部付属病院整形外科
2013年 熊本市民病院整形外科
2014年 水俣市立総合医療センター整形外科
2015年 山鹿市民医療センター整形外科
2017年 公立玉名中央病院整形外科
2020年 平山整形外科医院開院
資格・所属学会
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
身体障害者福祉法第15条指定医