ぎっくり腰で農作業を休むべき?避けたい対処と動き始めの目安|玉名市の整形外科|平山整形外科医院

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ぎっくり腰で農作業を休むべき?避けたい対処と動き始めの目安

ぎっくり腰で農作業を休むべき?避けたい対処と動き始めの目安

寝ているか、動くか。収穫期に迷ったときに


「寝ていた方がいいのか、動いた方がいいのか」。収穫期にぎっくり腰になった方から、よく聞かれる質問です。以前は数日寝て過ごした方でも、今回は家族に動くよう勧められ、どちらに従うか迷うことがあります。発症直後は、休み方にも動き方にもコツがあります。この記事では、避けたい対処、楽な姿勢、作業や送迎に戻る目安、玉名市で受診を考えたい症状を順に整理しました。


この記事の要点まとめ


  • 発症直後は重い箱運びや中腰、強いストレッチ・マッサージを控え、痛みが増えない範囲で身の回りの動作を続けます。
  • 楽な姿勢で休み、腰をひねらず起き上がります。歩行や農作業は痛みの反応を見ながら少しずつ再開し、運転操作も確認します。
  • 排尿・排便の異常や股周辺のしびれは速やかに受診し、足のしびれや歩行困難が続く場合も整形外科へ相談します。

ぎっくり腰の直後に避けたい対処と注意点


痛みを押して箱を持つ・中腰を続けることは避ける


収穫の途中で腰を痛めると、「この列だけは終わらせたい」と思うのが自然です。とはいえ、痛みが走った直後に重い箱を持ち上げたり、腰をひねって作業をしたりすると、痛みが強まりやすくなります。発症した日は、重い物を運ぶ作業と中腰の作業をいったん家族に任せることを考えてください。休むといっても、痛みが増えない範囲の身の回りの動作までやめる必要はありません1。


無理なストレッチや強いマッサージを急がない


「固まった筋肉をほぐせば楽になる」と考えて、家族に強く揉んでもらう方もいます。けれども発症直後の腰は、伸ばしたり押したりする刺激で、かえって痛みが強まることがあります。伸ばした瞬間に鋭い痛みが走ったり、揉まれた後に動きにくくなったりしたら、そのやり方は続けないでください。家族にお願いするなら、軽くさする程度の触れ方にとどめましょう。痛みの原因がわかる前に強い刺激を重ねるのは控えた方が無難です。


「動かない方が早く治る」という思い込みに注意


数年前に寝て過ごした経験があると、今回も同じようにしようと考えがちです。急性腰痛の臨床研究をまとめた報告では、安静を勧めた場合とできる範囲で活動を続けた場合を比べています。その結果、寝ていることによる利点ははっきりしませんでした。差は小さいものの、活動を続けた方が痛みや日常動作の評価がやや良好だったとされています1。痛みが強い間の短い休息と、何日も横になり続けることは分けて考えましょう。


発症直後の休み方と、楽に動くための工夫

発症直後の休み方と、楽に動くための工夫

横向きなど、痛みが和らぐ姿勢を探す


楽に感じる姿勢は人によって違います。よく選ばれるのは、横向きで膝を軽く曲げ、膝の間にクッションや丸めたタオルを挟む姿勢です。仰向けで休む場合は、膝の下に座布団を入れて腰の反りを減らすと楽になる方もいます。「この形が正解」と決めつけず、呼吸がしやすく痛みの少ない姿勢を選んでください。同じ姿勢を続けてつらくなったら、少しずつ向きを変えて構いません。


起き上がるときは腰をひねらず、体を横に向ける


仰向けからいきなり上半身を起こすと、腰に大きな負担がかかります。起き上がるときは、次の順で動きましょう。


1. 膝を立て、体ごと横に向く

2. 下になった腕の肘と、上になった手で床やベッドを押す

3. 足を先に下ろしながら、上体を起こす


「ひねらず、腕で体を持ち上げる」と覚えておくと動きやすくなります。立てたら、トイレや台所まで歩ける範囲で、短く動くところから始めましょう1。


冷やす・温めるは、心地よさと皮膚の状態で判断する


冷やすのと温めるのと、どちらが正しいとは言い切れません。熱っぽさがあり、冷やすと楽に感じるなら冷やしましょう。保冷剤はタオルで包み、1回あたり15〜20分程度を目安にします。温めて楽になる場合もあります。ただし、使い捨てカイロや湯たんぽを長い時間同じ場所に当てると、低温やけどを起こすことがあります。皮膚が赤くなったり感覚が鈍くなったりしたら、すぐに中止してください。


農作業や送迎は、どこまで動けたら再開できる?


室内の歩行から始め、痛みが増すなら作業量を戻す


「何日休めばいいですか」と聞かれることがよくあります。ただ、日数で一律に決めることはできません。目安になるのは、立ち上がる、家の中を歩く、靴を履くといった軽い動作をしたときの体の反応です。動いた後に痛みが落ち着くなら、少しずつ動く範囲を広げます。翌日まで痛みが強く残るなら、一段階戻しましょう。この繰り返しで活動量を調整していくのが基本の考え方です1。


収穫や箱運びは分けて再開し、中腰を続けない


作業の再開は、座ってできる選別や袋詰めなど、軽いものから始めます。収穫は低い台に座って行う、10〜15分ごとに腰を伸ばすといった工夫で、中腰の時間を短くできます。箱の運搬は、しばらくご家族や手伝いの方にお願いしてください。痛みが数週間続く場合は、仕事の段取りや生活面も含めて、医師やセラピストと相談しながら進める方法もあります2。


送迎の運転は、乗り降りや急な操作ができるか確かめる


運転してよいかどうかは、座っていられるかだけでは判断できません。車の乗り降り、後方を確認するための振り向き、ブレーキを素早く強く踏む動作があります。これらを痛みなくこなせるか、エンジンをかける前に確かめてください。急な操作で痛みが走るなら、運転は控えましょう。ほかのご家族による送迎やタクシーの利用、通院日の変更も選択肢にいれて通院しましょう。


玉名市で受診を考える症状と相談の準備


排尿・排便の異常や股の周囲のしびれは急いで受診する


次の症状があるときは、予約や様子見を待たないでください。救急外来も含めて、速やかに医療機関へ連絡しましょう。


  • 尿が出にくい、または漏れてしまう
  • 便を漏らす、便意がわかりにくい
  • 股の周囲やお尻の感覚が鈍い
  • 足に急に力が入りにくくなった

これらは、腰の神経が強く圧迫されているサインの可能性があります。できるだけ早く医師の診察を受けましょう。


足のしびれが続く・痛みで歩けないときは整形外科に相談


しびれが膝より下へ広がる、つま先立ちやかかと歩きがしにくい、痛みで数メートルも歩けない。こうした状態が続くなら、様子を見続けずに整形外科へ相談しましょう。整形外科では診察に加えて、必要に応じてレントゲンで骨の状態を、MRIで神経の状態を確認します。なお、神経の痛みに使われる薬の研究は、慢性の神経障害性疼痛を対象としたものです3。発症直後のしびれに、手持ちの薬を自己判断で使う根拠にはなりません。


受診時は痛みの始まりと農作業への支障を伝える


「箱を持ち上げた直後から痛い」「しびれは右足のすね」のように、痛みの始まり方と症状が出ている場所をメモしておくと、診察で伝えやすくなります。歩行や運転、収穫作業にどの程度支障が出ているかと、服用中の薬も伝えてください2。


当院では、受付窓口や電話での予約は承っていません。WEB予約またはLINEでのご予約をご案内しています。予約なしでも来院順に受診できますが、先に挙げた急を要する症状があるときは、予約を待たずに医療機関へ連絡してください。


玉名市で農作業や家族の送迎を担っている方は、休める日を探す前に、今日の症状が上の2つの見出しのどちらに当てはまるかを確かめてみてください。


よくある質問


Q1. ぎっくり腰になったら、やってはいけないことは?


A. 痛みを押して重い物を持つこと、中腰の作業を続けることは控えましょう。伸ばすと鋭い痛みが走るストレッチや、強い力でのマッサージも避けてください。反対に、何日も横になり続けることも勧められていません。痛みが増えない範囲で、身の回りの動作は続けてください。


Q2. 少しでも早く楽になるための方法はありますか?


A. 誰にでも当てはまる近道はありません。楽な姿勢で短く休むこと、ひねらずに起き上がること、歩ける範囲で少しずつ動くことを組み合わせるのが基本です。しびれや排尿・排便の異常があるときは、自己流の対処を続けず、医療機関に相談してください。


Q3. 何日くらい安静にすればよいですか?


A. 日数で一律には決められません。立つ、歩くといった軽い動作をしたときの痛みの反応を見ながら、活動量を調整していきます。数週間たっても痛みが続く場合や、しびれが広がる場合は、整形外科で相談しましょう。


Q4. 妊娠中にぎっくり腰になった場合はどうすればよいですか?


A. 湿布や痛み止めを自己判断で使う前に、まず妊婦健診を受けている産婦人科の主治医に相談してください。横向きでクッションを使うなど、楽な姿勢を探す工夫は妊娠中でも取り入れやすい方法です。


Q5. 腰が痛いまま、自分で運転して受診してもよいですか?


A. 車の乗り降りや振り向き、強いブレーキ操作が痛みなくできるかを事前に確かめてください。急な操作で痛みが走るなら、ご家族に送ってもらうか、タクシーを利用しましょう。


参考文献


1. Hagen KB, Hilde G, Jamtvedt G, et al. Bed rest for acute low-back pain and sciatica. The Cochrane Database of Systematic Reviews. 2004. PMID: 15495012 / DOI: 10.1002/14651858.CD001254.pub2

2. Marin TJ, Van Eerd D, Irvin E, et al. Multidisciplinary biopsychosocial rehabilitation for subacute low back pain. The Cochrane Database of Systematic Reviews. 2017. PMID: 28656659 / DOI: 10.1002/14651858.CD002193.pub2

3. Derry S, Bell RF, Straube S, et al. Pregabalin for neuropathic pain in adults. The Cochrane Database of Systematic Reviews. 2019. PMID: 30673120 / DOI: 10.1002/14651858.CD007076.pub3


平山 雄大

医師


医療法人社団清明会 平山整形外科医院

院長

平山 雄大

▶ 監修者プロフィール

経歴
1997年 玉名町小学校卒業
2000年 熊本大学教育学部付属中学校卒業
2003年 熊本県立玉名高等学校卒業
2010年 福岡大学医学部医学科卒業
2010年 宮崎県立延岡病院
2011年 熊本大学医学部付属病院
2012年 熊本大学整形外科入局
2012年 熊本大学医学部付属病院整形外科
2013年 熊本市民病院整形外科
2014年 水俣市立総合医療センター整形外科
2015年 山鹿市民医療センター整形外科
2017年 公立玉名中央病院整形外科
2020年 平山整形外科医院開院
資格・所属学会
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
身体障害者福祉法第15条指定医