
切り返しの一歩で膝が腫れた翌朝に
昨日の練習で切り返した瞬間に膝が痛み、今朝も体重をかけるとつらい。数週間前から違和感があったなら、なおさら気になるところです。この記事では、練習を止める目安、早めに整形外科へ相談したい症状、受診までの過ごし方、診察で伝えたい内容を順に整理します。体重をかけにくい状態が続くなら、練習は休んで相談を考えてください。
この記事の要点まとめ
- 膝の腫れや強い痛み、体重をかけにくい状態では練習を休み、早めに整形外科へ相談します。
- 受診までは運動や無理な歩行を控え、症状の変化を記録し、立ち仕事や通勤の負担は職場と調整します。
- 仕事とサッカーの復帰時期は分けて考え、診察結果や歩行・運動時の状態を踏まえて医師と相談します。
サッカーで膝が痛み、腫れたら練習は中断すべき?

切り返しの後に強い痛みと腫れが出て、翌朝も体重をかけにくいなら、練習は中断し、早めに整形外科へ相談することをおすすめします。歩けるかどうかだけでは、膝の中の状態まではわかりません。
翌朝も体重をかけにくいときは、いつ相談する?
腫れがはっきりしている、強い痛みがある、普段どおりに歩けない。いずれかに当てはまれば、できるだけ当日中の相談を考えてください。
変形やしびれがあれば、受診を急いだ方がよい?
急いだ方がよい症状です。次のような状態があれば、診療時間を待たずに救急相談や救急外来も検討してください。
- 膝の形が明らかにいつもと違う
- 足先がしびれる、皮膚の色が青白い・紫っぽい
- 熱っぽさを伴って強く腫れ、触ると熱い
こうした症状の原因はさまざまで、医師が判断します。医師に早く確認してもらうほうが、次の判断がしやすくなります。
歩けるなら試合に出てもよい、は誤解?
誤解です。歩けることと、走る・止まる・切り返す動きに膝が耐えられることは別の話です。靭帯や半月板(膝の中のクッション)のけがの有無は、医師にご相談ください。
ポイント
痛みを我慢したまま切り返しや接触プレーを続けず、休んでも痛みや腫れが残るなら整形外科へ相談してください。
受診まで膝をどう守り、立ち仕事はどう考える?
受診までは、負担のかかる運動と無理な歩行を控えて膝を守ることが基本になります。仕事も「いつもどおり」を前提にせず、職場と調整する余地を探してみてください。
診察を受けるまで、冷やす・休む際に気をつけることは?
運動はいったん止めます。保冷剤や氷はタオルで包み、短い時間ずつ冷やしてください。楽な姿勢で休み、できれば脚を少し高くしておきます。
痛みを確かめようと何度も曲げ伸ばしするのは控えましょう。腫れた膝をスマートフォンで撮影し、痛みの強さをメモしておくと、診察で経過を伝えやすくなります。
立ち仕事や通勤で膝に負担がかかるときは?
体重をかけにくい状態で長時間立つ、階段を何度も上り下りする。こうした動きを無理に続けるのは避けてください。
職場には「歩きにくい」と具体的に伝え、座ってできる作業や勤務時間の調整を相談するのも一つの方法です。受診時には、立っている時間や移動の多さも医師に伝えておくと、仕事についての相談がしやすくなります。
少し休んで様子を見るなら、何を見逃さない?
次の変化があれば、様子見をやめて相談に切り替えましょう。
- 痛みや腫れが増していく
- 歩きにくさが続いている
- 膝が伸びきらない、曲げにくい
体重をかけられるかどうかは、医師が画像検査を考える材料の一つです1。今回のように体重をかけにくい状態があるなら、自己判断で長く様子を見るより、早めに診察を受けるほうが判断の材料がそろいます。
玉名市で整形外科に相談するとき、予約と診察前に何を確認する?
スポーツ中の急な膝のけがは、整形外科で相談できます。予約が取れるかどうかより、症状に合った時期に相談することを優先してください。
スポーツ整形でなくても、膝のけがを診てもらえる?
診てもらえます。整形外科は、骨・関節・靭帯・筋肉などのけがや病気を扱う診療科です。「スポーツ整形」はスポーツに伴うけがや競技への復帰を意識した診療の呼び方で、名称だけで受診先を決める必要はありません。
なお、衝突やひねりで起こる捻挫・骨折などを「スポーツ外傷」、同じ動作の繰り返しで起こる腱や靭帯の炎症などを「スポーツ障害」と呼び、分けて考えます。今回の切り返しは前者にあたる可能性があります。
診察では負傷時の動きや画像検査をどう相談する?
診察前に、次の点をメモしておくと伝えやすくなります。
- 切り返した方向と、相手との接触があったか
- 痛みと腫れが出た順番と、その後の変化
- 数週間前からの違和感の有無と、練習を続けていた期間
画像検査は、診察の所見をもとに医師が判断します。X線(レントゲン)、エコー(超音波検査)、MRIなどから必要なものを検討する流れで、全員に同じ検査を行うわけではありません。
膝の状態を確かめた後、仕事とサッカーにはいつ戻れる?
復帰の日は一律には決まりません。診察の結果、腫れや痛み、歩行や動作の戻り具合を踏まえて、医師と相談しながら決めていきます。
立ち仕事と試合復帰は同じ目安で決められる?
同じ目安では決められません。立って歩けることと、走る・切り返す動作ができることでは、膝にかかる負担が大きく違います。
仕事の内容と次の試合の日程を医師に伝え、勤務の調整とサッカーへの復帰は、それぞれ別に相談してください。
腫れが引いたら、走る練習を再開してよい?
腫れだけで判断するのはおすすめしません。痛み、膝の動く範囲、歩行や軽いジョギングなど段階的な運動で症状がぶり返さないかを確かめながら進めます。
前十字靭帯(膝の中でねじれを抑える靭帯)の再建手術後に起こる関節内の出血を調べた研究もあります2。ただし、対象は手術後で受傷直後とは条件が異なるため、その研究から腫れが引いた後の走る練習の再開時期は判断できません。
以前からの違和感や繰り返す痛みにはどう向き合う?
今回の切り返しで起きたけがと、数週間前からの違和感は、分けて考える必要があります。繰り返す痛みについては、リハビリや動き方・体のケアの見直しを、医師やセラピストと相談する方法があります。
サッカー選手、特に女性選手を対象に、運動プログラムによる前十字靭帯損傷のリスク低減効果と、どの方法が適しているかを検討した研究があります3。当院の院長は、さまざまな症例を経験する中で予防の大切さを学び、少しでも手術が必要になる方を減らしていきたいと考えております。
ポイント
受診の際は、今朝の膝の写真と負傷時のメモを持参し、勤務と試合を分けて医師に相談することから始めてください。
よくある質問
Q. 湿布や痛み止めで痛みを抑えれば、練習を続けてもよいですか?
A. 痛みが和らいでも、膝の中の状態が変わったとは限りません。痛みを抑えて切り返しや接触を続けると、状態を確かめる機会が遅れることがあります。練習の再開は、診察を受けたうえで医師にご相談ください。
Q. サポーターやテーピングをすれば、次の試合に出られますか?
A. サポーターやテーピングは膝を支える補助であり、けがの状態そのものを確かめるものではありません。使用の可否や試合への参加は、診察結果を踏まえて医師が判断します。
Q. 整形外科のリハビリは何日おきに通うものですか?
A. 通う間隔は、けがの種類や時期、仕事の都合などによって異なります。決まった日数があるわけではないため、医師やセラピストと相談しながら、生活に合った通院の計画を立てていきます。
Q. 予約をしていなくても受診できますか?
A.予約なしでも受診いただけますが、来院順でのご案内となるため、待ち時間が長くなる場合があります。
スムーズにご案内するため、事前のWEB予約またはLINE予約をおすすめしております。なお、お電話での予約受付は行っておりませんので、あらかじめご了承ください。
参考文献
1. Sims JI, Chau MT, Davies JR. Diagnostic accuracy of the Ottawa Knee Rule in adult acute knee injuries: a systematic review and meta-analysis. European Radiology. 2020. PMID: 32222797 / DOI: 10.1007/s00330-020-06804-x
2. Johns WL, Walley KC, Hammoud S, et al. Tranexamic Acid in Anterior Cruciate Ligament Reconstruction: A Systematic Review and Meta-analysis. The American Journal of Sports Medicine. 2021. PMID: 33630652 / DOI: 10.1177/0363546521988943
3. Magaña-Ramírez M, Gallardo-Gómez D, Álvarez-Barbosa F, et al. What exercise programme is the most appropriate to mitigate anterior cruciate ligament injury risk in football (soccer) players? A systematic review and network meta-analysis. Journal of Science and Medicine in Sport. 2024. PMID: 38395699 / DOI: 10.1016/j.jsams.2024.02.001
2000年 熊本大学教育学部付属中学校卒業
2003年 熊本県立玉名高等学校卒業
2010年 福岡大学医学部医学科卒業
2010年 宮崎県立延岡病院
2011年 熊本大学医学部付属病院
2012年 熊本大学整形外科入局
2012年 熊本大学医学部付属病院整形外科
2013年 熊本市民病院整形外科
2014年 水俣市立総合医療センター整形外科
2015年 山鹿市民医療センター整形外科
2017年 公立玉名中央病院整形外科
2020年 平山整形外科医院開院
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
身体障害者福祉法第15条指定医
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