
「受診したら練習禁止」と言われるのが不安で動けない親子へ
大会まであと少し。すねの痛みを抱えながら「病院へ行けばメンバーを外されるのでは」と受診をためらうお子さんに、どう声をかけるか迷う保護者の方は少なくありません。原因がわからないまま走り続けると、競技から離れる期間が長引くこともあります。続けられる痛みと、休止を検討したい痛みの見分け方を、検査費用の目安とあわせて整理しました。
この記事の要点まとめ
- 運動後も続く痛みや局所の鋭い響きは、早めの状態確認が目安となります。
- 受診時は一律に練習中止とせず、大会日程に合わせた負荷調整を相談できます。
- 詳しい検査で原因を把握し、周囲と共有しながら出場への道を探せます。
大会直前に部活の練習を続けたい時の判断基準|休止を検討したい痛みのサイン

同じ「すねが痛い」でも、筋肉や骨膜への負担によるものか、骨そのものに変化が起きているのかで、その後の組み立て方は変わります。まずはご家庭で確認できる目安から見ていきましょう。
筋肉痛や疲労と見分けるセルフチェックの目安
動き始めは痛むけれど、ウォームアップが進むと気にならなくなる。練習後も翌朝には落ち着いている。この段階であれば、練習量や負荷のかけ方を調整しながら経過をみられる範囲にあると考えられます。気をつけたいのは、ウォームアップ後も痛みが残る、練習中に強まる、翌日以降も引きずるという流れ。シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)はすねの内側を指でなぞると痛む範囲が線状に広がるとされ、押して痛む場所が狭く鋭くなってきた場合は段階が進んだサインの一つと考えられています。
体重をかけると響く痛みや安静時痛は疲労骨折を疑う兆候
片脚で跳んだ瞬間に響く、指1本で押さえられるほど痛む場所が限られている、歩くだけで痛む、就寝中もうずく。こうした状態では、脛骨疲労骨折など骨自体の損傷が疑われることがあります。疲労骨折は初期のレントゲンに写りにくく、我慢を重ねた状態で負荷を続けると、離脱期間が数週間ではなく数か月単位に及ぶ可能性も指摘されています。出場の可否を決める前に、今どの段階にいるかを把握しておくほうが、結果として選べる道は広がるでしょう。
痛み止めで痛覚を抑えたまま練習を続ける際の注意点
市販の鎮痛薬で痛みを抑えてから走るという対処には、慎重な判断が求められます。痛みは「これ以上は負担が過ぎる」という身体からの合図でもあり、それを感じにくくしたまま全力で動けば、負担の広がりに気づきにくくなります。使用する際は自己判断ではなく、競技内容と大会日程を医師に伝えたうえで、タイミングや量、併用するケアまで含めてご相談ください。アイシングやストレッチも、原因がはっきりしてこそ狙いを持って行えます。
整形外科で行う「練習を完全に止めない」ための治療と検査サポート
「病院=全面的な運動禁止」というイメージから、受診から足が遠のく高校生は少なくありません。実際の診療は、状態を見きわめたうえで今できることを一緒に探すところから始まります。
「受診=即座に運動中止」とは限らない大会前の診療方針
診察ではまず、大会までの日数、種目やポジション、1日の練習量を伺います。そのうえで骨に損傷が及んでいないかを確認し、走行距離を減らす、ジャンプ系の動作を外す、試合形式のみ参加するといった段階的な選択肢をお示しします。骨の損傷がはっきりしている場合には、競技から離れる判断をご提案することもあります。それでも、「何を、どこまで、いつまで控えるか」を具体的に共有できること自体が、闇雲に我慢を続けるより本人の納得につながりやすいと考えています。
エコーやMRI検査による原因特定と費用の目安
初期の疲労骨折や腱の炎症は、レントゲンだけでは判別が難しいことがあります。超音波診断装置(エコー)は痛む部位を動かしながらその場で観察でき、MRIは骨内部のむくみ(骨髄浮腫)まで描出できるため、早い段階の変化をとらえる手がかりになります。保険診療3割負担での窓口負担は、エコーが数百円〜1,500円前後、MRIが5,000〜8,000円程度が一般的な目安とされます(部位や併用する検査により変動するため、詳細は各医療機関へご確認ください)。当院では開放感のあるオープン型MRIを備え、狭い空間が苦手な方や学生の方にも受けていただきやすい環境を整えています。
テーピング・物理療法・代替トレーニングによる負荷軽減
患部の負担を分散させる方法として、足関節や下腿のテーピング、シューズのインソール(中敷き)の見直し、サポーターの併用などがあります。当院の広いリハビリ室には物理療法機器を複数導入しており、症状に応じて医師の指示のもとで使い分けています。さらに、完全休養によって体力が落ちるのを避けるため、エアロバイクでの心肺機能の維持、体幹トレーニング、上半身中心のメニューなど、痛む部位を使わない代替練習をセラピストと組み立てます。走れない期間を「何もしない期間」にしない工夫が、本番へ向けた体づくりを支えます。
玉名市で部活と治療を両立するために|受診をためらうお子さんへの接し方

最後の大会を控えた本人にとって、受診は「終わりの宣告」のように感じられることがあります。だからこそ、伝え方と段取りが鍵になります。
「大会に出たい」気持ちを受け止めながら受診を促す声かけ
「そんなに痛いなら休みなさい」と正面から迫るほど、本人は口を閉ざしてしまいがちです。おすすめしたいのは、目的を出場側に置き換える伝え方。「大会に出るために、今の脚がどこまで耐えられるか確かめに行こう」「走れる範囲を先生に整理してもらえば、顧問の先生にも説明しやすいよ」。こう言われれば、受診は出場を守る手段として受け取られやすくなります。先に結論を決めず、まず状態を知る。この順番を親子で共有できると、話は前に進みます。
顧問や指導者へ練習制限を伝える際のコミュニケーション
自己判断で「今日は休みます」とだけ伝えると、意図が届きにくいことがあります。診察後に「できる練習」と「当面控える練習」を具体的に書き出し、期間の見通しとあわせて指導者へ共有すると、チーム内の調整がしやすくなります。医師の説明内容やセラピストが指導した運動メニューをメモにして持参する方法も役立つでしょう。周囲の目が気になって言い出しにくいときは、保護者の方から連絡帳や面談という形で橋渡しする選択肢もあります。
玉名市周辺での通院計画と大会当日までのスケジュール調整
部活と通院の両立で負担になりやすいのが送迎です。当院は玉名市立願寺にあり、JR玉名駅から約0.9km、産交バス「曙」から徒歩2分。無料駐車場も備えています。診療は9時〜13時/14時〜18時(水曜・土曜午後・日曜・祝日は休診)、WEBまたはLINEからのご予約に対応しており、待ち時間を抑えた来院計画が立てやすくなっています。大会の2〜3週間前に一度状態を把握し、練習強度を上げる前後にリハビリを挟む——そんな組み立ても一案です。痛みが出てから日が浅いうちほど、選べる手立ては多く残っています。まずは状態を知るところから始めてみてください。
よくある質問
Q1. 受診したその日に「運動禁止」と言われてしまいますか?
A. 一律に運動を止める判断をするわけではありません。大会までの日数や競技内容を伺ったうえで、続けられる範囲と控えたい動作を整理していきます。ただし骨に明らかな損傷がみられる場合は、その後の競技生活も踏まえ、負荷を下げるご提案をすることがあります。
Q2. シンスプリントと疲労骨折は、家でも見分けられますか?
A. 痛む範囲がすねの内側に線状に広がるか、指1本で押さえられるほど一点に集中しているかが手がかりの一つになります。ただし初期は判別が難しく、画像検査での確認が必要です。自己判断で決めつけず、押して痛む場所を医師にお伝えください。
Q3. MRIは当日に受けられますか。費用はどのくらいですか?
A. 混雑状況によりますが、予約枠に空きがあれば当日ご案内できる場合もあります。費用は保険診療3割負担で5,000〜8,000円程度が一般的な目安です。なお、一度の検査で撮影できるのは1部位となります。
Q4. 大会当日だけテーピングをしてもらうことはできますか?
A. 診察で状態を確認したうえで、必要に応じてテーピングや装具の使い方をご案内します。ただしテーピングは負担を分散させる補助的な手段であり、痛みの原因そのものに対処するものではない点はご理解ください。
Q5. 部活が終わるのが夕方で、通院時間が取れません。
A. 平日は18時まで(最終受付17時30分)診療しています。WEB予約やLINE予約をご利用いただくと、待ち時間を抑えてご案内しやすくなります。通院間隔についても、練習スケジュールを伺いながら一緒に検討させていただきます。
2000年 熊本大学教育学部付属中学校卒業
2003年 熊本県立玉名高等学校卒業
2010年 福岡大学医学部医学科卒業
2010年 宮崎県立延岡病院
2011年 熊本大学医学部付属病院
2012年 熊本大学整形外科入局
2012年 熊本大学医学部付属病院整形外科
2013年 熊本市民病院整形外科
2014年 水俣市立総合医療センター整形外科
2015年 山鹿市民医療センター整形外科
2017年 公立玉名中央病院整形外科
2020年 平山整形外科医院開院
日本整形外科学会認定リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
身体障害者福祉法第15条指定医
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