ばね指(弾発指)は、指を動かす腱とその通り道である腱鞘(けんしょう)に炎症が起こり、指の動きがスムーズでなくなる疾患です。
特に指を曲げ伸ばしする際に「カクン」と引っかかる感覚や痛みが特徴で、症状が進行すると日常生活にも支障をきたします。
ばね指の症状
主な症状は以下の通りです。
- 指の付け根(手のひら側)の痛みや腫れ
- 指を曲げ伸ばしする際の引っかかりやカクンとした動き
- 朝方に症状が強く、指がこわばる
重症化すると指が完全に伸ばせなくなる、あるいは曲げられなくなる拘縮状態になることもあります。
原因
ばね指の主な原因は、以下が挙げられます。
手や指の使い過ぎ:パソコン作業や家事、スポーツ、楽器演奏など、同じ動作を繰り返すことで腱や腱鞘に負担がかかります
加齢:40~60代の女性に多くみられます
ホルモンバランスの変化:妊娠・出産や更年期
糖尿病やリウマチなどの基礎疾患
腱鞘が狭くなったり、腱が太くなったりすることで腱の通過障害が起こり、ばね指の症状が現れます。
治療法
ばね指の治療は、症状の程度によって異なりますが、主に以下の方法があります。
1.保存療法(手術以外の治療)
安静:指や手をできるだけ使わず、炎症を鎮める
薬物療法:消炎鎮痛剤(内服薬や外用薬)や漢方で痛みや炎症を和らげる
ショックマスター:当院には圧力波治療機ショックマスターがあり、注射をしたくない人はショックマスターで改善することもあります。
目安は週に1回を8回ほどです。ストレッチの指導も行います。
ステロイド注射:腱鞘内にステロイドを注射し、炎症を効果的に抑える
ステロイド注射は即効性が高く、初回の注射で約7割の方が症状の改善を実感します。
稀に腱断裂や感染などの副作用リスクがあるため、注射を行えるかどうかは医師が判断します。
効果が不十分な場合は2回目・3回目の注射を行い、それでも改善しない場合は手術を検討します。
2. 手術療法
保存療法で改善しない場合や症状が重い場合に行います。腱鞘切開術と呼ばれる手術で、腱鞘を切開して腱の通り道を広げます。
日帰りで可能な短時間の手術です。手術が必要な場合は対応可能な病院へ紹介します。
日常生活での注意点
長時間同じ作業を続けず、適度に休憩やストレッチを取り入れましょう。
手先を温めて血流を良くする工夫をしてみましょう。(お風呂やホットパックの利用)
症状が軽いうちに整形外科を受診しましょう。
まとめ
ばね指は早期の対応と適切な治療で多くの場合改善が期待できます。
違和感や痛みを感じたら無理せず専門医に相談し、普段から手指への負担を減らすことが予防につながります。
当院では注射だけでなく、ショックマスターやリハビリによる治療、漢方を用いた治療なども行っておりますのでお気軽にご来院下さい。